「鉄分の王様」ひじきが王の座から陥落?!ひじきの鉄は鍋の鉄~
2016/05/22
ひじきにはほとんど鉄が含まれていなかった?!
5年に1度、改定される「日本食品標準成分表」で
日本中を震撼させる事実が発覚しました。
それまで「鉄分の王様」と言われていたひじきに
実はほどんと鉄が含まれていなかったのです。
突然の王位はく奪に戸惑うのは
それまで貧血にいいと信じてひじきを食べてきた私たち。
ひじきによる貧血改善はもう期待できないのでしょうか?
日本食品標準成分表2015年版(七訂)でのひじきの鉄分量は?
こちらが今回、日本食品標準成分表2015年版(七訂)で発表されたひじきの鉄分量
1.ほしひじき ステンレス釜 乾 6.2
2.ほしひじき ステンレス釜 ゆで 0.3
3.ほしひじき ステンレス釜 油いため 0.3
4.ほしひじき 鉄釜 乾 58.2
5.ほしひじき 鉄釜 ゆで 2.7
6.ほしひじき 鉄釜 油いため 2.9
(数字は100gあたりに含まれる鉄分量 単位:㎎)
ちなみに2010日本食品標準成分表2010年度版までは
ほしひじき 55.0㎎
とだけ書かれていたので
ずいぶん変わったものです。
それにしても1~6の違いがよくわかりません。
特に4と5は20倍以上の差があるので気になります。
備考欄によると
4.の乾は「鉄釜で煮沸後乾燥したもの」だそう。
5.はゆでた後、釜揚げしちゃうってことでしょう。
それでここまで鉄分に差が出るとは?!
↑鉄釜でゆで上げた後、
鉄釜でじっくり煮上げて蒸らしてから天日乾燥すると
「ほしひじき 鉄釜 乾」の出来上がり
ただしこれは、ひじきの生産者がする加工の話。
台所で鉄鍋を使えばいいということではないようです。
ひじきで鉄分を摂るためには?
ひじきから鉄分を摂りたいと思ったら
鉄釜で煮沸・乾燥させたものを選ぶ必要があります。
ちなみに2016年4月現在、
市場に出回っている90%以上のひじきは
蒸気加熱されたもので鉄釜では加工されていません!
ということは私たちは
鉄釜で加工された10%以下のひじきを
探さなくてはいけないんです。
でも鉄釜を使っているかどうかの表示義務はありません。
なので店頭で手に取ったひじきが
鉄釜で煮沸されたからステンレス釜だったかなんて
知ることはできないのです。
今では鉄製よりもステンレス製が主流というひじきの加工。
製造法まで表示する義務はありませんが、
今後は「鉄鍋で煮沸した」ということが
ブランドになっていくかもしれませんね。
以前、こんな記事を書いたことがありますが、
鉄鍋や鉄瓶での調理で鉄が摂取できるということが
こんな形で発表されるなんて複雑な心境です。
鉄鍋や鉄瓶が貧血にいいってホント?!
今回の変更を受けて、
こちらの記事も表示を変えました。
貧血対策の基本。鉄分の多い食べ物ってなんだ?!
栄養素の常識は絶対的なものではなく、
時代に合わせて変わっていくものなのですね。
貧血のみなさん、
ひじきを昔ながらの製法で作っている業者さんを
見つけたらぜひ教えてください。
この記事は2016年4月1日現在のものです。記事内にもあるように栄養成分は研究などによって変更する場合がありますのでご了承ください。
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